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あと――
【今日来いよ】
藤さんの仕事用のお家に呼ばれてから前よりも頻繁にお誘いを受けるようになった。多分ホテルよりお家のがいいのは本音なんだと思う。
仕事もしたい。でも性欲も満たしたい。
ホテルだと思うように仕事が出来ず、あの家のが都合がいいって言葉はきっと嘘じゃない。
…………でも。
どんな家だとしても少なからず藤さんのプライベートの片鱗に踏み込むということにどうしても躊躇してしまう。
少しずつ藤さんを知る度。
優しい手に触れる度。
甘い紫煙の香りを嗅ぐ度。
彼への気持ちが増していく。
それが怖くて、何れ切り捨てられる未来を想像する度に怖くて。
だけど、それでもあたしから藤さんを切るなんてことは、今のあたしには出来ないから。
【わかりました】
あたしには行かないなんて選択肢は――ない。
きっとどんなに大事な用事があったとしても、藤さんの誘いを断るなんてことは出来ない。
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