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「っ………!!?」
驚きと首筋にあたる藤さんの髪の毛が擽ったくて首を竦めるけど大して意味はない。
『あ、茉那〜、唯が変わってって言うから変わるねぇ?』
電話中にも関わらずざらついた舌が容赦なく首筋を舐めるから慌てて唇を噛んだ。そんなこちらの状況を全く知らないレイカは何故か電話を唯と変わったらしい。
『あ、もしもし。茉那か?』
レイカの声とは全く違う、普段の落ち着いた唯の声が聞こえたと同時に首筋を舐めていた舌が引っ込み、代わりに強い力で皮膚を吸われた。
「いっ……、な、なに?」
吸われたのと同時に微かな痛みを生じて思わず声が漏れてしまい、慌てて唯の声に応答しつつ意識を電話に向ける。
『なんか変な声聞こえたけど大丈夫か?』
「へ、平気!ちょっと扉の角に小指ぶつけちゃって…」
『それ地味にくそ痛えやつじゃん。つーかそれ、前に俺ん家でもやってたよな』
「そうだっ、け?」
『寝坊したかなんかで茉那が超慌てて、んで小指ぶつけてめっちゃ涙目でしゃがみこんでた気ぃする』
……ごめん、唯。
今その話超どうでもいい。
というかそれどころじゃない……。
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