迷い鬼

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 少年の後頭部は半分が消失していた。割れた卵のように内側にへこんで、砕けた頭蓋の奥に乳白色の白子のような脳が見えた。首筋から背中にかけて乾いた血痕がべっとりと張り付いている。割れた頭蓋の端に金槌の先端が引っ掛かり、少年が動くたびに長い柄がゆらゆらと揺れた。  バチンッ!! (――迷い鬼⁉︎) (そうや。恨みに憑りつかれた人間はな、死んでも成仏できず、この世とあの世の狭間を永遠に彷徨う迷い鬼になってしまうんや) (そんなん迷信やろ? ばあちゃんはその迷い鬼を見たことあるんかいな。この目で見るまでそんな話信じられへんわ!) (そうやなあ……ゆうはばあちゃんの孫やもんなあ。……いつか見れるようになるかもしれんよ)
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