夏休み

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 猛と華子がビールを見に行き、景子と雛子とりおがアイスのケースを見に行く。オレンジ! とりおが見上げた。 「つわり平気?」  気遣うように雛子が訊いた。 「ま、あと少しの辛抱だから」  景子が答えた。顔色が良くない。「それよりも、りおの相手が大変よ」  雛子はりおに聞こえないように何気なく両耳のあたりを押さえてこすり、気をそらそうと、レジの横のキャラクターの方に顔を向けさせ、あっちにかわいいのがいるよ、と話しかけた。 「いつも夜私一人だから、面倒みるのがしんどい」  ひとこと本音を言うと、こぼすのが止められなくなったようだ。 「お母さんに預けちゃえば?」雛子もたまらず提案する。結婚して家を出たとはいえ、車で一時間の距離に景子たちの住まいはある。 「でも、定年まで働くっていうから、迷惑かけられないし」  あんまり子供に聞かせたらいけないと思い、雛子はりおの手を引いて、レジ近くのキャラクター商品の方へ行き、「これかわいいね」と指差した。  喜ぶかと思ったが、りおはぷいとそっぽを向く。
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