杏奈との出逢い

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 一ヶ月程で僕達は病院の外でも会う様になった。最初はALSに関する論議ばかりだったが、二ヶ月程で普通のデートらしくなって来た。  そして僕は三ヶ月目に杏奈に告白した。彼女は涙を浮かべて僕の告白に応じてくれた。 「ありがとう、大森先生。はい、宜しくお願いします」 「杏奈。恋人に先生はないだろう。翔で良いよ」  彼女は(うつむ)き、頬をピンク色に染めていた。 「はい、翔さん。嬉しいです」  杏奈と付き合う様になって、僕は更にALSの新薬開発に力を注いだ。僕に新しい夢が出来たんだ。それは杏奈のあの日の約束を叶えて彼女の花嫁姿を水品(お義父)さんに見せる事だ。  六ヶ月目、少し早かったけど僕は杏奈に指輪を渡しながらプロポーズをした。 「イエスよ。翔。嬉しい、ありがとう」  僕のプロポーズは成功した。そして僕は決意を新たにしていた。新薬で必ずお義父(とう)さんを治し、杏奈とお義父(とう)さんとのあの日の約束を叶える事を……。
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