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新薬ＨＭＲ－２の効果は？
そして杏奈と出会って七ヶ月後、お義父さんを臨床の被験者とし、ＨＭＲ―２の投与を開始した。しかし……。
「何故だ。なんで全く改善されないんだ？」
ＨＭＲ―２の投与を開始して二週間が経っていたが、お義父さんの身体から計測される生体データーが全く改善していない事に、僕は頭を抱えていた。一方で呼吸回数が落ちていて球麻痺が更に進行している事を伺わせた。このままでは横隔膜の動きが麻痺して呼吸が止まってしまう。
自分のオフィスでお義父さんの電子カルテを見ながら次の対応を考えている時だった。突然、僕の胸ポケットに入っているスマホが鳴った。スマホを取り出して表示を見ると、それはお義父さんを担当する看護師からのコールだった。
「大森先生！ 至急来てください。水品さんが心停止しました！」
僕はオフィスを飛び出し、お義父さんの病室へ駆け込んだ。
ベッドの横には両手で口を押さえた杏奈が泣いている。生体モニターを見ると全ての数値が〇だ。看護師が心臓マッサージをしている。
「心停止から何分だ！？」僕は看護師に叫んだ。
「二分です。痰吸引中に心停止しました」
「代わる、除細動器を早く！！」
心臓マッサージを看護師から引継ぐと、看護師は除細動器を引っ張ってベッドの横に移動させてくれた。お義父さんのパジャマを肌けさせ、看護師から手渡された二つのパッドを左胸の上の胸骨の下と右脇腹にセットする。
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