272話 再び聖女様の館へ

3/7
前へ
/266ページ
次へ
 更に呆れさせてしまった聖女様がふと思い出したかのようなにはっとした。 「マーレについて話しておきたいことがあります」  白い髪のお姉様が先日の一件をマーレ様に謝罪したいらしい。  どうやら『白いの』のお姉様はこの屋敷の教育係でもあり、午後からの魔術陣の講義のためにも和解をしておいた方がいいとのことだ。  魔力がないお姉様が講師? 聖女様の提案にそう驚いた。  どうやらこの屋敷にいる人たちは聖女様の神力もそうだけど、魔力や魔術についてもいろいろと教わるようだ。その中で『白いの』のお姉様は一番に理解しているらしい。聖女様は早くに母親を亡くしたため、聖水の製作方法も彼女から教わったと言う。  そう説明を聞くと、確かに落ち着きのあるあのお姉様には、そのような才がある雰囲気を漂わせていた。
/266ページ

最初のコメントを投稿しよう!

55人が本棚に入れています
本棚に追加