272話 再び聖女様の館へ

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 魔術陣の講習に聖女様や側仕えたちも見学に来ていた。ここに住む人たちは話を聞いて頭でわかっていても、実演を見ることは初めてなのだ。  ユーディー様とマーレ様が基本的な魔術陣を作る中、僕は全属性のそれを仕上げて早速外へ出て試し打ちをする。  見事に成功を喜ぶ僕たちに『白いの』のお姉様が注意事項を述べて、次に応用を教えてくれる。  家庭で使う火の魔術について。釜土なとのかわりに使う場合は、どうしても触れたときに発動させなければならない。そのため、使用する場合は必ずその場で作らなければならないようだ。そのとき、使用しないときに保護する囲いと蓋を用意することが義務付けられているらしい。ちなみに強弱は魔術陣の上にものを素早く置き直す回数で決まるように文字を書き込んでいる。  保存用の冷暗庫も似たような造りになっている。  そして次は土の魔術による建造物についてだ。これがかなり大掛かりなことで、みんながワクワクと興味を示している。僕とユーディー様は少しばかり緊張して挑んだ。  今回はあくまでも講習であり、基本的なことだけだと説明を受ける。
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