272話 再び聖女様の館へ

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 ちなみに建物を製作した場合は街と貴族街の役場に報告の義務がある。魔力供給した者も。崩れると大変なことがあるので、これを怠ると『罰』どころでは済まないと説明を受けた。 「それでは最後に、この作製した壁を潰してもらいます」  魔術で拵(こしら)えたものは、より強い魔力の籠ったものをぶつければ壊れてしまう。  僕たちは土の球を打ち放って壁に当てると、それは土に戻った。  つまり魔力硬度が高い者が作る建物ほど高額なお金が手に入るようだ。  ということは、住むところは絶対に不可欠なので土の魔術を扱う貴族様はお金持ち? という疑問が浮かぶ。  するとユーディー様とマーレ様がクスクスと笑い出した。 「建物を作る際、金額はそれぞれの領地で固定されています」  と、説明してくれた。各領地で相場があるらしい。  でも、つまりウィードルドでもそれを決めなければならないということだ。なんだか難しそうだ。お金の価値に無頓着な僕は頭を悩ませた。
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