アシュランティアの白と灰色

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アシュランティアの白と灰色

“ほら、カイトは頭固いから” カイトは昼間の訓練の時にジェスに言われた事を思い出して、ふ~と息を吐いた。 「まったく…」 警戒作動時、外してはいけないゴーグルを同じグループの同期が外した。 「おい、警戒区域はゴーグルを必ず着用だろ?」 注意をすると、セルミがあからさまに嫌な顔をした。 「あのなぁ、訓練ではそうかもしれないけど、ゴーグルが本当に今必要だと思うか? 周りは本隊の第二部隊が取り囲んでる、 この場所は以前本隊が調査に入った場所だ。 この暑さだ、ゴーグルのせいでのぼせて判断が鈍くなる。」 「何を言って…」 「まあ、まあ。ほら、カイトは頭固いから! 融通が聞かないってセルミも知ってんだろ?」 お調子者のジャスが間に入った。 「アシュランティアの犬が…」 セルミがカイトに吐き捨てるように言った。 「…!」 「カイト落ち着け。」 肩を掴まれた。 「スイ…」 周りに比べて頭一つ大きいスイが落ち着いた表情でカイトをいさめた。 「言わせとけ。」
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