許す、許さないの問題じゃない。

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 それを聞いた凛華は、悪びれる様子もなく言ったらしい。 「あの子、“友達いたんだ”」と。  私にそれを教えたのは、葵だった。葵は、どちらかと言えばな立場だったのだと思う。  私の属していたグループは、私、凛華、優里、葵、そして由希の5人がいる。元々は凛華を除いた4人のほのぼのとしたグループだった。人見知りの私も彼女たちとはかなり打ち解け、気軽に話もできていた。  誰とでも打ち解けることの出来る、優里。場の空気を読むことの上手い、葵。そして、誰にでも合わせられる由希。3人ともが、相手に合わせることを得意としていたからこそ、私はこの中にいられたのだと思う。  3人のおかげでほのぼのとしていたグループは、女子大生らしくお茶やショッピングを楽しみ、たまには、合コンなんて少し刺激の強めなイベントもやった。まぁ、私は毎回かなり気疲れするので、あまり好きではなかったが。  特に喧嘩をすることもなく、淡々と日々が過ぎていき、大学3年の終わり頃には、私たちのグループは5人になっていた。凛華が入ってきたのだ。  彼女に抱いた第一印象は、たぶん“友達”にはならないだろうだった。そう思わせるほどに、ほのぼのとした私たちのグループとは対照的なオーラを彼女は放っていたのだ。  初めは誰とでも打ち解ける優里にくっついて私たちの元にやってきた。私と葵は、あまりに自分達と感じの違う凛華を、優里が連れてきた“お客さん”くらいに思っていた。  しかし、次の日もまた次の日も凛華は私たちの元へやってきた。いつのまにか由希が凛華と親しそうに話すようになっていた。どうやら、自宅の方角が同じらしく、行き帰りが同じになる事があるらしかった。誰にでも合わせられる由希は、そうして凛華との仲を深めていった。  優里と由希が凛華と親しくする中、私と葵は、まだ彼女と一線を置いていた。  凛華が完全に私たちのグループの一員になったのは、たぶん凛華主催の合コンの後だ。凛華とその彼氏が開いた合コンで、葵に彼氏ができたのだ。その繋がりで、凛華と葵はそれまでよりも頻繁に言葉を交わすようになった。  大学を卒業間近になっても、私だけがまだ凛華に馴染めずにいた。  これまでの経験から、大学を卒業してしまえばもう彼女たちとの繋がりは切れてしまうのだろうと漠然と考えていた私は、それまで気になっていたことを思い切って葵に聞いてみた。 「ねぇ、凛華って前のグループ、どうして離れたか知ってる?」
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