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「氏名、生年月日、旧住所、ニックネーム等々です。少し時間が掛かります。ですがこの作業を徹底的にまとめていれば大幅に時間が節約出来る」
「時間はあります」
「予算はありますか?」
「あるつもりですが相場が分からない」
「急ぎますか?」
「出来れば正月に戻り子供等と過ごしたい」
8日しかない。拗れた浮気調査でもそれくらいは掛かる。
「こうしましょう。明日から一週間で25万いただきます。これは成果に関係なくいただきます。その後は交渉でどうでしょうか?」
「博打ですね」
「人捜しはそんなもんですよ」
「期待出来ますか?」
「やくざもんの噂を信じてください」
徳田は黒木から対象の情報を聞いた。対象の氏名は小川誠二 38歳 。
「この写真は?」
「小学校の記念写真です」
「南方ですか?」
「はいテニアン島です」
「あなたの足ももしかして?」
「ええ、テニアンで失いました」
「小川さんと最後に会ったのはいつですか?」
「閉校時から20後に一度実家に訪ねて来ました」
「便りも交わしていませんか?」
「はい、ありません」
「それじゃ小川さんが生きている証がありませんね」
「それは間違いない。小川は生きている。早く捜さなければまた過ちを続ける」
黒木が声を荒げた。
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