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「ああ、もう一日居たいな。せめて指紋照合を確認するまで」
「分かった電話する。明らかになった全てを逐一漏れずに報告するから安心しろ」
那覇空港まで送ってもらった。
「ありがとう、また一杯やりたいな」
中西が手を差し出した。
「ああ、俺もだ」
がっちりと両手を被せた。
眠れぬ夜を過ごした。
「パパ、仕事は?」
小学生の娘は冬休みである。布団から出てこない父親の脇で寝そべった。
「ああ、今何時?」
金城は飛び起きた。時間は10時を過ぎていた。
「お父さん、ドライブ行こう」
「駄目だお父さんは昨夜も今夜もお仕事だよ。
「つまんない」
娘の甘える顔が狐顔になった。金城は着替えた。
「今日はこのまま深夜まで通しだよ」
「ご飯は?」
妻の問いに返事をせずに出掛けた。鶴見駅で名城が勤めている八百屋に電話をする。
「もしもし、名城さんをお願いします」
「ああ俺だ。小川から指示はあったか?」
「お前んちでレモンを受け取り、深夜小川に渡す」
「そうか、俺は警察にマークされている」
「えっ、やっぱり」
金城の予感は当たっていた。とすると声を掛けて来たセダンの男は警察だろうか。
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