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「やっぱりとはどういうことだ?」
「実は昨夜落ち着かなくてお前んちに行ったんだ。そしたらお前んちの前で大声がしていたからエレベーターから出ずに戻った。下にセダンが停まっていて声を掛けられた」
「どうして今日まで待たなかったんだ、お前の車もマークされてるぞ。顔は見られたのか?」
「いや、暗かったし斜めからだからはっきり見られてはいない」
「昨夜きたのは米沢の刑事だ。俺が小川に貸した運転免許証のことで訪ねて来た。奴等も必至だがまだ何にも分かっちゃいないようだ。俺はもう動けない。大晦日まで仕事して三が日は家でじっとしている。俺を張り込んでいる間は小川は見つからない。お前もレモンを渡したら普通に仕事をしていることだ。それが復讐に一番近い」
「分かった。それで何処で受け取ればいい?」
名城は考えた。
「家じゃヤバいから店に持って来てある、すぐ出れるのか?」
「ああ、潮見橋の渡し跡にいる」
「それじゃ車はどこかに停めて歩いて店に来い。朝からおかしな奴がうろついている。土産用のメロンと言え。箱の中にレモンを入れておく」
金城は車を駐車場に入れた。八百屋まで五分と掛からない。
「へい、いらっしゃい、白菜安いよ」
名城は金城に声を掛けた。
「見舞い用にメロン下さい」
「へいよ、アールスメロンはいつでも旬だよ。贈答用ならは箱詰めにしましょうか?」
「お願いします」
金城はメロンの箱にパイン缶を二缶入れて緩衝材の木毛(モクメン)を隙間なく詰めた。蓋をしてテープで止めた。手提げの紙袋にいれた。
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