都橋探偵事情『舎利』

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「仏の喉から変なものが出た」  課長が割って入った。 「あだなゴミ屋敷さ住んでるんだ、おがすな物食ってでも不思議でねだべ」 「それが骨らしい」 「骨?鳥の軟骨でねのが?それが豚足、齧りづいで間違って飲み込むどぎがある」 「鳥の軟骨ならお前さんを現場から呼ばないよ。人の骨だ。それも子供のようだ」  課長は高橋に煙草を要求した。一本抜いて手渡した。 「あいづは人食い人種が?」 「今どぎ人食い人種がどごさいる。台湾にだっていね。食った形跡はね。爆発の瞬間さ飲み込んだど考える方科学的だ」  鑑識課長の鈴木が言った。 「飲み込んだ骨以外さ現場にあったのが?」 「ね、仏の腹の中だげだ」 「分がらねぐなってぎだ。さっぱりわがんね」  高橋は頭を抱えた。 「ホスが被害者の口さ入れだのが?」 「おらもそう思う」  高橋の疑問に鈴木も同意だった。  米沢に到着したのは18:00.を回っていた。爆発現場の住所は新聞が教えてくれる。辺りは暗く警官の姿も見当たらない。 「ラークを二つください」  現場近くの煙草屋に入る。 「爆発の音凄かったでしょ?」 「ええ、天地がひっくり返るど思ったよ」  煙草屋の主人は大きな声を張り上げた。
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