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「二日前って、事件のあどでねが」
二か月前に米沢でレンタカーを借りて布団を載せた。そして事件前にも借りて斎藤宅まで運んでいる。
「頭痛ぐなってぎだ。横浜行がんな話にならねな」
考えれば考えるほどこんがらがってしまう。高橋は頭を抱えた。
「課長、金出すてください。横浜さ行って来るっす」
高橋が手を出した。
「一人でか?」
「さどうは置いで行ぐっす。代わりに鑑識の鈴木課長の動向願うっす」
高橋は手榴弾を実際に使用経験のある同輩の鈴木を選んだ。経験者は手榴弾の性質を弁えている。安全ピンを抜けばすぐに爆発するわけではない。ピンを抜いて4秒と言う逃げる時間を有効に使える。素人はすぐに投げる。4秒の間に拾われて逆に投げられることもある。敵が目の前なら2秒ほど数えてから投げることも出来る。
「分かった。いつだ」
「今すぐに出発するっす」
「よし、掛け合って来る」
課長が上に確認を取りに行った。
「さどう、横浜の生意気な刑事がらの連絡で、被害者の保証人になった佐々木幹夫米沢さ来る可能性高えど読んでだ。おらもそう思う。おめには被害者宅さ張り付いで監視すて欲すい」
「分がった」
課長が鈴木鑑識課長を連れて戻って来た。鈴木は既に私服に着替えていた。
「よぐもおらば道連れにすてけだな。高ぐづぐぞ」
鈴木は笑った。同期に誘われたのが嬉しい。
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