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「はい、担当将校は僕が事件の担当と勘違いしていました。横田から軍用機で乗せて行ってやると言われました」
「行ってくりゃ良かったじゃねえか。お前折角沖縄に行けるチャンスを無駄にしちゃって。俺ならその足で行っちゃったな」
中西がからかう。
「中西はブローカーの氏名を聞いたらしいじゃないか?」
相馬課長が口を挟んだ。
「ええ、ブローカーは『クワトウ』と呼ばれていたと聞きました。情報源は間違いありません。。ただ氏名は又聞きですから確実かどうか分かりません。いずれにしても近い発音かと思います」
「それで佐々木幹夫の捜索はどうなった?お前米沢東西署に連絡するって根岸屋出て行ったろ」
布川が勘定を済ませている。
「さすが布川班長、記憶力抜群ですね」
「昨夜の話だよ」
中西は笑って誤魔化した。
「先方にはさっき電話しました。担当の高橋刑事です」
「もう一度説明してくれ」
課長が催促した。
「佐々木幹夫は米沢の事件を知り、まだオープンしたばかりの産業貿易センタービルの店を閉めて出て行きました。一人娘がいますが、やはり急な行動にショックを隠せませんでした」
「間違いないのか?米沢の事件との関係は?」
「間違いありません。佐々木は被害者斎藤の保証人になっていました。同じテニアン島からの帰還者です。二人は特殊な関係で結ばれていたと考えられます」
「佐々木がホシと言うことはないか?」
課長が突っ込んだ。
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