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最近暑いな…。5月でもこんなに暑いなんて。干からびるぜ。
中庭の噴水涼しそう。ちょっとくらい脚浸かって涼んでも…イイヨネ!!!!
近くのベンチに鞄を置き、靴と靴下も脱いで、スラックスの裾をまくった。噴水の縁に腰をかけそっと脚を入れる。
「ひっ。思ったより冷た~」
でも、慣れると気持ちいかも。胸ポケットに入れてたスマホを出して噴水と脚を背景にピースした写真を撮った。
後で生徒会メンバーに送ったろ~。
「副会長~~~!!」
ん?こんな所で…僕を呼ぶのは誰だろうと振り返ったら。
「晃也くんだ」
「はい!晃也です!あの!あの!ありがとうございました!!」
万遍の笑みキラキラした顔をしている晃也くん。これはもしや、もしや?もしやするのか!?
「てことは…???」
「はい!詠太郎と上手くいきましたっ!」
詠太郎…で誰や。はっ!1匹狼系ヤンキーのA君の事か!
「ぉお!おお!晃也くんよかったね!」
思わず抱き締めようとしたら脚がまだ噴水に浸かったままで、動けない事に気づいた。
こっちおいでと、晃也くんを手招きする事にしよう。???を飛ばした晃也くんは理解してないまま近づいてきた。
「よかったね、おめでとう!」
晃也くんにハグをした。
「ふ、ふ、ふくかいちょに、だ、抱きしめられて、しまった…?!死刑…?切腹??」
「だからぁ!そんな事しないでいいから!死刑じゃない!生きて」
「今時間ある?」
「少しなら構いません」
そう?おいで、と晃也くんを隣に座らせた。経緯ちょっと聞きたいな…。と尋ねてみた。
「はい、勿論です!あの後、距離置いてみたら、2,3日で僕が我慢出来なくて、盗み見をしながら、でも合わないように避けていたんです。そしたら途中で、例のヤンキー達にぶつかってしまって、また囲まれて離れた校舎の空き教室に連れ込まれそうになったので暴れてたら、詠太郎がまた助けてくれて、一通りヤンキーを沈めた後にお互いが今まで溜まってた言葉を吐き出すように言い合いになったんです。」
いいじゃん。いい展開じゃん!!
「そして、僕も素直に言ったんです。君が好きだって。そしたら詠太郎が[人の気もしらねぇーで、クソッもう、離してやれねぇから ]て言われてっ!最高にカッコよかったです。ときめきました。今思い出しても…照れてしまう…」
キャーーー!!!最高!!!スタンディングオベーション!!!!!全俺が泣いた!!拍手が鳴りやみません!
「最高。。ありがとう。。上手くいったみたいでよかった。幸せになっておくれ…晃也くん」
ガチで永遠に拍手しちゃうコレ。
「そ、そんな副会長…!や、やめてください~恥ずかしいじゃないですか」
「満更でも無いくせにコノコノっ!」
肘で晃也くんを突っつく。照れちゃて可愛いなぁ。
ピコン
と晃也くんがスマホを取り出し、幸せそうな顔をして眺めていた。
「副会長、すみません!連絡来たので、また後日お話出来たら嬉しいです!」
絶対にこれは詠太郎だ!
「うん、またね~!」
うし、俺も、水浴び終わらして、生徒会室行くか。
あ、まてよ。タオル鞄の中じゃん…。晃也くんに去り際に取ってもらえばよかった。うーん。カバンまで遠いしなぁ。
慎琴に電話しよ。
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