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ファイルNO.0.5:雛月 晃也
副会長に相談して、アドバイスを貰った[押してダメなら引いてみろ作戦 ]を実行しようと思います。
副会長…!見ててくださいっ。この雛月晃也頑張りますっ!
1日目は、席も離れてるし後ろの子に話しかけながら詠太郎の席をチラ見するくらいで、特に声もかけなかった。 多分詠太郎と出会ってから、話しかけなかった日は今日が初めてだった。帰り際になると、いつもとは若干違う胸の痛みがした。
2日目も1日目と同様、話しかけるのを我慢した。詠太郎が窓の外を眺めている間はずっと僕は詠太郎を眺めていた。
3、4日目は土日を挟んだので…、4日間も詠太郎と喋って無いことに1人でもう限界だ!!!とベットの上で抱き枕を抱えながら暴れまくっている。
えぇ。4日も喋ってないの??無理!詠太郎の声聞きたい…。自分ばっかり焦がれているみたいで…嫌だな。詠太郎は僕が話しかけなくて何とも思わないのか…?両思いになれれば嬉しすぎるけどさ、ちょっとぐらい…今までずっと話しかけてた友達がさ、急に話しかけ無くなったら寂しいと思うものじゃないの?僕にはその価値もなかってことなの??悔しいなぁ…。
抱き枕をギュッと握りしめながらベットに横になった。
「はぁー、明日…絶対に話しかけてやろ。問い詰めてやろ…」
×××
次の日の昼休み僕は詠太郎に問い詰めてやろうと思い、自分の席で覚悟を決めていたら、机に影ができた。誰だろうと思って顔をあげようとしたら
「よう」
ちょっと怒ったような…低い声。え、詠太郎さんじゃないですかっ!えっ、なんで怒ってんの。こっちだって怒ってるんですけど…。こわっ。
覚悟決めていたのに一瞬で崩壊し、俺は立ち上がり勢いよく教室をでた。般若の前では誰も太刀打ちできないよ…、怖すぎて顔みてないけど!
とりあえず逃げる、逃げる。
昼休みだから廊下に出てる人が多くて、障害物にはちょうどいいが、それは自分にも言えることで…。案の定、曲がり角を曲がった時やばいと思った瞬間、人とぶつかってしまった。
しかも、最悪な事に、アイツらだった。
「おいおい、ぶつかってんじゃねーよォ」
「あ、コイツ、アレじゃないっすか??」
下品な笑い声が響く。群れてイキってるヤンキー共め。詠太郎にも相手にされない癖に。だから、詠太郎以外のヤンキーは嫌いなんだ。
と脳内で悪態を着いていたら、リーダー格のヤツが
「この前は、ようやってくれたなぁ。食堂でバックレやがって。しかも副会長に媚びまで売って??副会長になにしたん?雛月チャン〜?」
そう言われながら、壁に数人で追い詰められる。正直、めちゃくちゃ怖い。だって僕より身長高い奴らが凶悪な顔をして、迫ってくるんだもの。ただ、コイツらに怖がってるなんて知られたくないのも事実。
詠太郎が怒っていて、追いかけられてるだけでも手一杯なのに、なんでこんな時にコイツらと遭遇するんだ!自分の運の無さに呪いたくなる…!
「副会長は、優しいんだ。こんな一般生徒の僕にでも、困ってる人が居たら助けてくれるくらいに!」
「へぇ〜。俺らも困ってるって言ったら助けてくれるカナ〜?性欲溜まって困ってるってな!」
ッ!!最低すぎる。副会長はお前らなんかが性的思考で消費していい人ではないのに…!
「そういう、思考しか出来ないのか?だから…お前らみたいな…」
「お前ら…みたいな??」
ドンっと顔のすぐ横の壁を殴られた。
一瞬、コレ俗に言う壁ドンでは…?と思ったが、こんな恐怖な壁ドンはあっては心臓止まる。泣きそう
「雛月…続き、いえよ」
「お、前ら…みたい、な…、ふ、不良は…大っ嫌い、だっ!」
「コレってさぁ、差別だよなぁ〜〜?!」
リーダー格のヤツは仲間に同意を求める。顔はずっと俺を見たまま、瞬きをせずに。ヤツと顔の距離は10cmあるかないか。もう、恐怖映像、目尻に涙溜まってきた。怖い。
「雛月にはもうそんな事、言えないように教えてあげないとな」
俺ら優しいから…といいながら、大きな手で首をしめるように軽く撫でられる。
「ひっ、」
「可愛い声で泣くじゃんかよ…」
もう限界だった。僕はココで首しめられるだろうか…。さっきチラッと空き教室が…とか聞こえた…。コイツらの事だから、性的暴力でもされるんだろうか…。こんなことになるなら、詠太郎に怒られた方がマシだった…。そう思うと涙か溢れてきて、止まらなくなった。助けて…。詠太郎、副会長…
「た、す、けて。詠たろ…」
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