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side 菜央
公園のブランコに乗りながら、碧月さんは俺の話を聞いていた。
「中学2年の頃…、ルームメイトができてそいつがと…合わなくて、よく夜の街に降りて、時間…潰しにきてたんです」
中二の頃のルームメイトは、本当に幸せな愛情をもらって育ったみたいで脳内お花畑で、みていてイライラした。
「その時に、絡んできたヤツらを相手してたり、繁華街…フラフラしたり、してたんです」
路地裏の猫と一緒に路地裏で寝たりとかもしたな。
「そんなのが3ヶ月くらい続いてて、店で絡んできたヤツらも…その時絡んできて、返り討ちにしてて…何かと、突っかかってきたんす。その頃に、親が離婚すると唐突にいわれ…て」
「離婚するって、言われて、父親についてけば…学校に残れるが、母親についてけば、一般の公立に通わせる。学校に残っても仕送りは減るぞと、どっち選ぶのか…と言われ。お前らが小学校の時に絶対に、ここに入学しろって強制的に勉強させて、無理矢理入れた癖になんて…勝手なんだ…!と思いました。この怒りを発散するために、街に降りて目に入った気に入らない人たち、殴ったりしてたん…です」
今当時を思い出しても、腹が立つ。
当時、母か父かどちらにつくのか。と言いつつ、お互い俺を押し付けあっていたし、俺の事は自分のスターテスの飾りぐらいにしか思ってなかったんだろう。
現に、父は俺が中等部で生徒会に入ることになったと聞くと、手のひら返しの様に俺が引き取ると、そして高等部でも生徒会にはいるんだぞ、と言い出した始末だ。
急に視界が暗くなったからなんだろうとおもい、顔を上げると碧月さんが目の前にたっていた。
「菜央、僕達と出会う前そんな事あったんだね。家族がその状態なら、もっと他人なんて信じれないよな。初めて会った時、あんなにツンツントゲトゲしてた理由やっとわかった気がするよ…」
そう言って碧月さんは抱きしめてきた。この人はこんなにも暖かいんだな。人の暖かさを初めて知ったのは、この人のおかげなんだよな…。
「碧月さんの、おかげで…今の俺があるって言っても…過言じゃないです」
「それは…言い過ぎなんじゃない?最初に菜央を連れてきたのは慎琴だよ」
そう、会長にもお世話になった。でも、碧月さんおかげで優しさを俺は知ったんだ。あと、もう1人…あの時助けてくれた、フジさん
「会長に出会ったのもその頃なんですよ。荒れてた時、大人数で囲まれて…返り討ちされて、ボロボロになった時が…あったんです。その時助けてくれた人が居て…、一瞬で人をなぎ倒していったんです…」
あの時の事は絶対忘れた無い。もう、俺は
ダメかもしれない。と思った瞬間に人が上から飛び出してきて、目の前の人が吹っ飛んだのだから。フジさんは街灯に照らされて、まるでフジさん専用のスポットライトの様で。白ぽく脱色した髪が反射してキラキラして眩しかった。天使を見たのかと思ったのだ。
「その人が菜央のいう…先輩?」
「えっ、その時助けてくれた人…はここら辺を閉めてるトップ?みたいな人で…フジさんって言う人です。先輩は…藤原 湛センパイ…です」
あれ。2人とも藤がつく…?
「!菜央の言ってた先輩って藤原先輩なの?」
「先輩の事知ってるん…すか…?」
「だって図書委員長じゃん!会議であうよ。あと、慎琴と仲良いみたいだし…」
そっか。。碧月さん副会長だから、会長と一緒か、代理で委員会の会議に出てるもんな。知ってても不思議じゃないか。
何故かわかんないけど、会長とセンパイ仲がいい…。でも碧月さん会長が元ヤンって事は知らないよな…?これは言わない方がいいよね。
フジさんに助けて貰った時…、その場に会長もいて、会長にも助けて貰ったんだ。
そこで、会長が俺をじっと見て…、フジさんにアジトに連れっていいかと聞き、強制的に連れてかれ、手当てされながら事情聴取された。
その時は同じ学校、しかも生徒会長だとは知らなかった。
根掘り葉掘り聞かれたと思ったら、会長は「やる事が出来た。フジ、コイツ面倒見てあげてくれ」と言い残し帰って行った。不思議な人だと思っていた。
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