37人が本棚に入れています
本棚に追加
時は流れ、最終下校時刻となった。
待ちに待った、下校時刻だ!よしよし、片付けをしよう。今開いているページは上書き保存。殴り書きしたメモや、紙の書類はファイルにまとめて、明日わかりやすいように整理。
PCはシャットダウンさせてと。USBだけ抜いとくか。刺さったままでもし、壊れてしまったらたまったものではない。
USBを抜き、鍵のかけられる引き出しへしまう。
帰り支度も終わったことだし、カバンを持ち立ち上がった。
『あきあき~』
二十に重なった声で僕を呼んだかと思ったら、
両腕に同じ速度で突撃してきたものがあった。
「うわっ」
「帰ろ~!」
「寮まで一緒に帰ろ~」
「もう、月海と凪流!急に飛びつくなっていつも言ってるでしょ」
因みに右に凪流、左に月海にガッチリと腕を組まれていた。
「ごめん~」
「悪かったって、今日見たいテレビ番組あるの、はやくー!」
2人は薄茶のゆるふわショートヘアで、動く度に髪の毛ふわふわと揺れて可愛い。
前髪はアシメで凪流は右下がり、月海は左下がりである。
凪流は無気力そうなイメージを与える反面、月海やんちゃなイメージを与える。とりあえず、2人とも可愛いがすぎる。
僕の生徒会の癒し要員様その1と2。
「分かったよ、帰ろうか。みんなも片付け終わったでしょ。妃良も菜央も慎琴も」
「終わりましたけど、一緒に帰るなんて誰も言ってませんっ」
もう、すぐ妃良はツンツンしてさぁ~
「うん……」
菜央は素直で可愛い。頭を撫でてあげよう……、おっと、両腕は双子に捕まっていたことを忘れていた。
また、今度撫でさせてくれ。そのサラふわっな髪の毛…。
「俺はもうちょっと残るよ」
「えっ。何言ってるの。最終下校時刻だよ?生徒会長がそれしちゃダメでしょ。もう慎琴も帰るの」
「うーん。生徒会副会長にそんなこと言われてしまったら、帰るしかなないなぁ。分かったみんなで帰ろう。同じ寮だしね」
ニコリと慎琴は笑う。
スっとカバンを持ちドアの前に集まっていた僕達の所までくる。
な、なんだったんだ?いまの笑顔は。しかも、片付け終わってたし。むむ?帰るのをもう1回誘って欲しかったとか?慎琴が?そんなまさか。
最初のコメントを投稿しよう!