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「ん、」
なんか、頬がくすぐったい。
僕の部屋には、僕しか居ないはずなのに。
虫かなぁ
「こらー碧月。いつまで寝てるんだ、もうお昼だぞ」
?慎琴みたいな声がする。
まだ眠たいんだ僕は
「もう少し……」
「だーめ」
む。揺さぶられる。 しょうがない瞼を頑張って少し開こう…。
「……。」
慎琴?夢か。
夢なら、慎琴に触ってもいいのでは。
ベッドに腰を下ろしている慎琴に向かって両手を伸ばす。
不思議そうな顔をした慎琴が見えた。
が、直ぐに僕の手を取り引っ張って、上体を起こされてしまった。
なんか思ってたのと……違う。
まだ眠たいし、そのまま慎琴に抱きついた。
肩に額を押し当ると、フィット感が良い。
どうも、感触がリアルっぽい気がしなくもないが、夢でもリアルな夢も見るし、気にしないでおこう。もう少しこのままで。
「ぐー。」
「碧月…。これ以上寝惚けて引っ付いたら、僕何するかわかんないよ」
ブルッ
なんか、寒気が…。
あ、夢の中の慎琴の身体から引き剥がされる。
いやいやと手を伸ばすけど、片手でひとまとめにされてしまった。
うつらうつらの意識の中、慎琴がなんかスマホいじってるなあ……とおもったら
「コッケコッゴッコォォオオオ~~~!!!!!!ォォオ~オ~」
「ヒッ……うわぁああああっ?!?!?!」
え、なになに、なになに?
飛び跳ねてちゃった。ありえないぐらい瞬きしちゃう。
「コケコ……、え??慎琴?」
状況が掴めずにぱちぱち瞬きしながら、何故か目の前にいる慎琴をガン見する。
どういうこと?僕の部屋になんで、慎琴がいるの?
「おはよう碧月。やって起きたね」
「お、おはよう?」
状況が把握できず、周りをキョロキョロする。
あれ、ここ僕の部屋じゃない。
ここって、慎琴の部屋では??
なんで?
「もしかして、昨日のこと覚えてない?」
昨日の事、慎琴と夕食を一緒に食べるとか食べないとか…。
「僕の部屋に碧月を招いて夕食とっていたら、碧月ったら、食事中に寝落ちしたんだよ。だから顔も身体をお湯で拭いて、ベッドに運んだんだ」
そ、そうでしたの…。
人との食事中に寝落ちるのは、行儀悪過ぎませんか碧月さん。。これで慎琴に幻滅されていたらどうしよう。
って、今僕が来てるのって慎琴のTシャツでは…?
わぁ、サイズがこんなにも違うのか、ダボダボ。へへっ。これがいわゆる彼シャツというとものか。これ貰っちゃダメかな。ダメだよな普通。
「あんまり、昨日のこと覚えてないんだけど…。食事中に寝落ちたとか、ベットや服まで貸してもらって、申し訳ない」
「あぁ。元々僕が誘ったし、気にしなくていいよ」
「昨日の服とか、何処かな」
「今は洗濯中だから、僕の着てってくれ」
「分かった。慎琴ありがとう」
制服は洗濯中らしいから、また後で取りに来よう。部屋隣だし。
時刻を確認したら、11時35分だった。本当に僕は何時間寝ていたんだ。馬鹿。
この時間なら一人部屋ゾーンの階の人達は出歩いてないだろう。このまま隣の自分の部屋まで帰るか。下、パンツしか履いてないけど、Тシャツが大きから、大丈夫よね。
えっと、スマホスマホ
「スマホはここ。昨日のカバンはこっち」
ありがとう~助かる。
慎琴から、スマホとカバンを受け取って、そのまま玄関に向かったら
「え、碧月!?そのまま帰るのか?」
「え?隣だし良くない?」
「せめて、下着の上に何か履いてくれ…」
でも…。隣にいくだけじゃん。外なんか数歩歩くだけだし面倒と渋っていたら、凄い血相で履いてと懇願されたので、渋々慎琴のジャージを履きました。
慎琴もジャージとか着るんだね。
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