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「なるほどね・・・」
「だけどさ。なんかそのあと二人になって話してるうちに、あたしなんでそんなことしたのかって確かめちゃったんだよね・・・」
「澪から?」
「そう・・・。もしそれに意味があるのなら、ちゃんと気持ち伝えようって。あたし的には賭けだったんだよ。ずるいけど。やっぱり傷つきたくないから。杉崎の反応、先に知りたくなっちゃって・・・」
「それで、杉崎はなんて?」
「あたしとは・・・、あたしとだけは、そういう関係になりたくなかったって、ハッキリ言われた・・・」
「えっ・・・? ホントに・・・? 杉崎がそう言ったの・・・?」
「そう。ハッキリ。溜息ついて。後悔してた・・・」
今でもハッキリ思い出せる。
忘れたいのに忘れられない。
どうして、そんな辛い記憶まで忘れられないんだろう。
好きな人に受け入れられないことが、それを直接言われることが、こんなにも辛いだなんて・・・。
ホント、冴木部長が言ったように、誰でもいい訳じゃなかった・・・。
たとえ本気にならなくても、たとえ不倫でも、恋愛する相手は、ちゃんと選んでいて。
そんな気持ちにならない相手のあたしは、勘違いもさせてもらえない・・・。
言葉にすると、より一層堪える。
またあたしにとって、忘れたい心のトラウマ増えちゃったな・・・。
「あーあ!ここまで言われたらもう無理だよねー!完全に相手されてないってことだもんねー!」
少しやけくそ気味に笑いながら言ってみるものの、まだ胸はズキズキと痛む。
言葉にすればするほど、その痛みが大きくなる。
また。あたしの自信が無くなる・・・。
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