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「うーん。ホントにそういうことなのかなー?」
「どういうこと?」
「ホントに澪が思ってるような意味で、杉崎は言ったのかなぁ?」
「それ以外なくない・・?」
「あたしはさぁ、その場にいなかっかたら、その時の状況もその言葉のニュアンスもわからないけどさぁ。でも、杉崎は澪が傷つくようなことはしないんじゃないかなって、思うんだけどな」
「なんでそんなこと言えんの?」
「ん~。杉崎は、何に対しても誠実なヤツだとは思うからさ」
「それは・・・そうだとは思うけど・・・」
「昔さぁ。あんたたちが新人の頃ペア組んでた時あったでしょ?」
「うん」
「あの時、あんたたちいっつも衝突し合ってて、正直仲いいとは言える関係ではなかったじゃない?」
「それはまぁ・・・」
「でもさ。あの頃から、杉崎は澪のことちゃんと認めてたし傷つけないようにってフォローしてたんだよね」
「それ・・どういうこと・・?」
「二人でペア組んでた時さ、一時期、澪、同時に抱えてた仕事あったじゃない?」
「あぁ・・うん。向こうの都合で同時進行なっちゃった時だよね」
「そう。澪がその後、希望してた前の部署に行けるかどうかも関係してたあの時」
「それがどうしたの?」
「あの時さ、澪と杉崎が一緒にペア組んでた取引先からさ、実は急な変更と無茶な要望が入ったことがあって」
「えっ?そんなことあった?」
「うん。それ澪知らないやつなんだよね」
「えっ?なんで?」
「たまたまさ。当時あたしがその時の電話取り次いだから知ってたんだけどさ。その案件、実は杉崎一人で対処したんだよ」
「えっ・・・? なんで、それあたし知らないの・・?」
「杉崎に口止めされたから」
「なんで!?」
「その案件さ、ホントは二人でやるべきだったんだろうけど、それを澪に一緒にさせることになれば、確実にもう一つの方に影響あるっていうのがわかってて。杉崎は、澪に余計な心配させたくないし、無理させたくないからって、一人で結局は全部解決したんだよね」
「そんなの・・知らなかった・・」
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