第一章 拾集

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「今日の分の廃瓶はあれで全部かやー?」 叔父に確認され、理久はひとつ頷く。 「ご苦労さんね。じゃー、よっしーに工房の中を案内して」 靖の言葉に、理久より先に義史が反応する。 「おっ、そう来ましたか! するとこちらは未来の工房主ってとこかな?」 両手を広げ、称えるように理久を指した。 「まーだ三年目の、見習いも見習いさー」 と靖は笑って否定する。話題の中心人物である理久はただ黙っていた。 「そっか、まだ先の事とか分かんないよね。でも若いのにやる事見つけて……えらいよ」 義史は素直に感心しているらしい。 「ちなみに、おいくつ?」 少しだけ姿勢を下げ、視線の高さを合わせるように訊ねた。 「十七です」 理久が短く答えると、 「げっ、まじで若いじゃん。おじさんの半分だ」 と大袈裟に口元を歪めて見せる。そして改めて、よろしくね、と笑顔を見せた。 理久は一気に緊張したような面持ちになり、 「じゃ……案内しましょーね」 口の中で言うと、慌てて踵を返した。 愛想良くするよう言う靖の声が追うが、義史は割って入るように理久の後ろにつき、ひらひらと手を振った。 「だーいじょぶです。家族の前では恥ずかしくても、よその人となら意外と喋れたりするもんですよ」
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