街角ピアノ

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そこに1台のピアノがある。 公民館のホールの片隅にポツンと置かれたピアノは弾く者が来るのを待っている。 ーーーーー 「上手くいった?」 「う~ん…、ちょっと微妙かな」 公民館のホールの片隅に置いてあるピアノの前で2人の少女が何やら話していた。 「カナ、もう一回弾いて」 うん、と少し頷いてカナはピアノを弾き始める。 弾いてる曲はアイドルグループの曲で、イントロしか演奏していない。 「楽譜確認してる?」 「今するトコ」 エリにそう言われ、楽譜をチェックする。 よし、と一息付き再び弾き始めた。 「やはりダメ」 曲のイントロを引き終え、落ち込んでしまった。 「ただのスランプだよ。気にしないで」 「………」 カナは何も言わなかった。 スランプなのは分かってる。 「エリ、付き合ってくれてありがとう」 カナは親友のエリに礼を言って、立ち上がる。
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