隻腕少年と奴隷少女。

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作者から一言:さて。幻想学園と同時にこっちも連載することに決めました。正直言ってこちらはあまり設定とかは練っていないのであまり期待しないでください。 第一話:『夜空の星の下で』 ここはとある世界。様々な種族、動物や植物等が暮らしている世界。 近代化が進んでいるところも、まだ発展途上のところもある。 だがこの世界にも腐っている人間はいるものだ。未だに奴隷制度が続いている国もある。だが、どんな腐っている世界にも優しい人物はいるものだ。 そこは忘れてはならない。 『さて……今日はここか…』 現在時刻は午後の4時57分を指している。 今日、不知火カイトこと俺は、とある理由で闇市と呼ばれる所に来ていた。 『都市に行く為にここが近道と言ってもなぁ…ここが闇市だとは思わなかった…あの酔っ払いめ…』 周りの視線がこちらに集中している。こういう場所では追い剥ぎとかも頻繁に起きる。 その為、身寄りが良い服等をしていると目につけられることがある。 『それにしてもこういう所には本当に色々ある……ん?』 歩いている最中俺の足は少しだけ速度を緩めた。 目に止まったものがあったからだ。この世にも勿論奴隷商人はいる。 その為こういう闇市にも居るワケだが… 俺の目に止まったのは一人の奴隷少女だった。首や手首、足首に縄を掛けられており正座させられている。 髪はコーラル色で瞳は黄色の綺麗な目をしていた。だが光がない。まるで生を諦めたかのような目だ。 『……あ。』 今一瞬、こちらの視線に気づいたのか彼女がこちら側を振り返った時、目があってしまった。見つめ合ったまま数秒が経過した。そして俺は気づいたら奴隷商人の方へ向かっていきー… 『ねぇ商売人さん。その子いくら?』 と、俺はコーラル色の髪をした少女を指差してそう尋ねた。 商売人『…アンタ、ここら辺じゃあ見ねぇ顔だな…新参者かい?』 商売人『それにその……左腕に少し違和感がないか?』 『……無駄話はどうだっていい。値段を聞かせてくれ。』 そう。俺の左腕は……ないのだ。過去にとある理由で無くしてしまったのだ。 商売人『まぁ聞かないでおこう…それじゃあ話を戻すぜ。 こいつァ高い値で売ってる。この不思議な髪の色と目の色。だが残念だったな。さっき王族の人がこの値段の1.5倍の学で買っちまった。 欲しい気持ちは分かるが止めとけ。それが身のためだ。』 『それじゃあ俺はこの値段の2倍で買うよ。』 少女『……え?』 商売人『……はぁ?』 『買い取るって言ってんだろ。ほら。金だよ。』 そう言って俺は金貨が入った袋を店主に向かって投げた。 商売人『…確かに2倍の額があるが…いいのかい?あんた王族の連中に狙われる可能性もあるぞ?』 『奴隷の商売人にしちゃあ親切なこったな。まぁいいや。そんじゃ貰っていくよ。』 そう言って俺は少女の縄を解いて(ほどいて)肩を叩き歩みだした。少女は 「訳が分からない」といった顔をしながらも俺の跡を走って付いてきた。 『……さて、予定変更だな…どうなることやら。』 気づいたらもう夜の7時。 闇市を抜け出して美しい星々が舞う夜空を見ながら俺は誰となくそう呟いた。
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