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エレノアは、やばい、はぐらかせなかったかと、すっぱい表情をした後、ややすました仮面を被り言った。 「いえラクカァナ様、証拠隠滅ではなくて、証拠になる前に、隠滅したくて、思わず食べてしまったのです。どうせ落第点ってわかってましたし、問題見たら」 「でも、ラクカァナ様、あの時面白がって楽しんでましたよね。こうやって消しゴムを私の目の前に差し出して、これも、食うか?うまいぞって。プリンセスのお立場としては、どうですかね・・・、姫がその可愛いメイドに消しゴムを食べさせるいじめ行為をしようとした・・・と、故国の人が知ったら・・・きっとはりつけですね」 エレノアはいたずらな目で、プッと笑って言った。 ラクカァナは、はりつけになった自分に旗を振る民衆から無数のキャラクター消しゴムが投げつけられている映像が浮かんでいた。 頭を振ってその姿をかき消すと 「黙りなさい!プリンセスに鼻ごたえ、・・・耳ごた、目?、・・・口ご、口ごもっとも?・・・は許しません。たまに余分な一言を挟みますね」 エレノアはちぇっという感じで拗ねていた。 二人の横を母親に手を引かれたたまねぎヘアの少女が通り過ぎていく。よしよしとエレノアの頭を撫でながらがんばってと声をかけていった。 ついでにピッとほっぺたに蛍光ペンでいたずら書きもしていった。 母親は子供のいたずらに気づいていない。 ラクカァナは突然起こったそのシーンが至極気に入って、二人を呼び止めると、母親に事情を話して、その場面を映画作成のように繰り返し撮影した。 「ピッと書かれた時に表情、特にまゆを気にして、毎回変えなさい」 とテイクごとにラクカァナ監督は厳しい口調で言った。 「さー、ラストテイク、。。。アニメの主人公になりきって、ピッとのときの表情しっかり頼むから、いい、・・・はい、スタート!」 エレノアは焦ってパニックで頭が真っ白だった。 ピッとされた。 思わず寝そべって 平泳ぎ、からの、バタフライ、でごまかした。 子供と母親は大笑いしている。 ラクカァナは呆れた顔。 ラクカァナの顔色をうかがいながら 「からの背泳ぎ」 ラクカァナが、あーあという感じでため息をつく。 エレノアはチラッとラクカァナを見て 「―― からの高速クロール」 知らぬ間に集まっていた見物人から、おおというどよめきの声とともに拍手が起こった。
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