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一方で、レズアンは街の外から門を通ろうとする男を見つけた。それから、彼女は嬉しそうに手を振ってその相手を呼んだのだった。
「ゴンザレス様!」
「げげっ」
呼ばれたゴンザレスは今一番会いたくない相手と出会ってうろたえた。
スサマと別れた後、いかに目立たず街に残してきた自分の荷物を取るのかを考えていた。
挙式が始まる前にゴンザレスは酒場などで「自分は新郎の冒険者仲間だ!」と自慢気に豪語してしまっていた。
それで、一般の民でも自分の顔を知っている人がいる。そんな人に今出会えってしまえば気不味いどころではなかった。最悪、騎士団に通報されるおそれがある。
だから、ゴンザレスはあまり目立たずに門を通ろうとしたのだけど、そんな彼を嘲笑うかのように運命はよりにもよって新郎に逃げられた新婦と合わせたのである。
「おーい!ゴンザレス様、私です、レズアンです」
「ハハハ、どうも」
レズアンがゴンザレスに近寄ろうとしたら、護衛の近衛兵たちがその行方を阻みゴンザレスに対しては槍を構えていた。
「貴様、ドラゴン退治のときにスサマと一緒にいた仲間だな。よくも姫様の顔に泥を塗ってくれた」
こうなるだろうと予測していたゴンザレスは苦笑いしながら手をあげるほかなかった。
しかし、レズアンは声を荒らげて近衛兵たちを叱った。
「貴方たち、ゴンザレス様が何か罪をおかしたというのですが?こちらの感情で罪のない者に武器を向けるなんて恥です!」
「も、申し訳ありません」
近衛兵たちはすぐに武器をおさめてレズアンに道を開けた。
レズアンがゴンザレスの前まで近づき、頭を下げて近衛兵たちがした無礼な行為を侘びた。すると、近衛兵たちだけでなく周りの野次馬たちもざわつくことになる。
それでゴンザレスはさらに居心地が悪くなり、それを作り出した元凶であるスサマを心のなかで呪ったのであった。
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