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まやかしの恋
夕飯時。
リビングのテーブルには、飯、味噌汁、ハンバーグ、サラダが並んだ。
あんがハンバーグをひと口食べる。
「美味しい…ビッ○ボー○のハンバーグより美味しいわ。保が料理出来るなんて意外ね」
「そりゃどーも。作り過ぎたから、タッパーに入れといたぜ。粗熱が冷めたら、冷蔵庫に入れてくれ」
「これから泊まりに来る度に作って欲しいくらいだわ」
あんは本当に俺の料理を気に入ったらしい。
後は黙々と食いだした。
あんの食べる表情を見て、悪い気が起きない俺だった。
食器を片付け終えて、シャワーを浴びていると、あんが本当に浴室に入ってきた。
あんの裸は大理石の様な肌に形の良い美乳、大き過ぎない、プリッとしたケツだった。
「良い体してるわね」
「あんも、な」
言った後で、しまったと思った。
未だに名前を覚えてない事がバレちまった。
だが、あんは怒った様子も無く、ボディソープを手に取ると、俺の背中を洗い始めた。
「あんって略されたの学生時代以来ね。今は友達も皆、杏奈ちゃんとか杏奈って呼び捨てにするから」
そうだ!
杏奈だ。
俺は、この時、初めて、あん…いや、杏奈の名前を覚えた。
しかも、杏奈に名前を忘れてたことがバレなかった。
俺も杏奈の体を洗った。
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