杏奈の逆襲

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杏奈の逆襲

次の日の日曜日。 さあ寝るかっていう時、俺の携帯に電話が掛かってきた。 何気なく表示を見ると、『鈴木』になっている。 俺は昨日ペットショップで鈴木と別れたままだった。 気持ちの整理がついたんだろうか? 俺は迷わず電話に出た。 「もしもし」 『もしもし、千夜くん。昨日は済みませんでした』 「気にすんなよ。俺も悪かったしな。でも言い訳させてもらうと香澄に告られたのは、昨日チンピラ達に絡まれてた香澄を助けた後で…報告する余裕がなかったんだ」 『その辺の事情は諸橋さんからも聞きました。千夜くん、僕、諸橋さんと話して家に帰ってから一晩中考えていました。お2人の事』 一晩中…眠れなかったんだろうな、鈴木の奴。 声に疲労を感じるのはそのせいか。 俺は鈴木の痛みは想像でしか、解ってやれねーが、初めて女を好きになって振られたんだ。 きっと友情と恋心の間でスゲー辛い思いをしたに違いねー。 「鈴木…悪りぃ」 『そんな謝らないでください。僕、お2人を応援しようって決めたんですから』 「鈴木…良いのか?」 『はい。僕がどんなに諸橋さんの事を想っていても、諸橋さんが千夜くんを好きで、千夜くんも諸橋さんを好きなら、仕方ないのかなって思いまして…。せめて僕にとって大事なお2人には幸せになって欲しいんです』 「鈴木…」 『この話はここで終わりにしましょう。千夜くん、明日、学園でお会いしましょう』 鈴木は、そう言うと電話を切った。
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