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仲良し3人組
「酷いよう保ー。僕が呼んだ時は無視して、鈴木くんの時に振り返るなんて」
「ウザいあんたが悪りぃんだろうが」
「千夜くん、山村先輩に対する言動には気を付けて下さい。それに土曜日に制服着て繁華街を歩く人がいますか!」
説教垂れてる鈴木と、山村は、よく見るとドッグフードの袋を抱えていた。
きっと体育館裏に居る野良犬達の餌を買ったんだろう。
優等生の鈴木が唯一してる校則違反だ。
「昨日、美幸の車に乗って行ったのは鈴木も知ってるだろうが」
「その美幸さんは、どうしたんですか?」
「あー!僕、解ったあ!」
俺が応える前に、一向に傷付いた様子の無い山村が声を上げる。
俺と鈴木は思わず山村に注目した。
山村も、ようやく俺の女遊びを理解したか。
「僕を恋人にしようと思って…イタタタタ!」
「誰が恋人にしようと思ったって」
「千夜くん、頭グリグリするのは可哀想だから止めてあげて下さい!…大方、又、美幸さんに飽きたからでしょう。違いますか?」
鈴木がメガネのツルを中指で上げながら、目を光らせる。
まあ、何度も繰り返してたら、普通、解るよな。
俺は山村を解放してやると言った。
「次の女をハントしに来たら、人助けする羽目になってよ」
「「人助け?」」
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