仲良し3人組

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鈴木は驚いたように、山村はキョトンとしたように、こっちを見る。 俺は、さっきの吉田ってサラリーマン達の件を、かくかくしかじかと、2人に話して聞かせた。 「保、格好良い!」 山村はドッグフードを抱えたまま、俺に擦り寄ってくるが、俺は腕を伸ばして手のひらで山村との距離を取る。 「荷物まで持って近寄ってくんな」 「じゃあ、荷物持ってない時に、腕組もう!」 「そういう問題じゃねー」 これじゃあ、まるで掛け合い漫才だ。 「これだけ人が居れば、そういういざこざも出てくるでしょう」 鈴木は続ける。 「それよりも、そのOLの女性を千夜くんが、よく口説かなかったなと思いまして」 「吉田が彼氏だったら、マズいだろ」 「保には、僕がいるもんね!」 「…それよりも、あんた等これからどうするんだ?」 この際、山村の事はシカトする。 「このまま一旦、家に帰ります。このドッグフードは予備用ですし。一応、制服に着替えないと餌も、やりに行けませんし」 隠れて餌をやるなら私服姿でも良い様な気もするが、そこは真面目な鈴木らしい。 俺も今日は田中に迎えに来させて屋敷に帰る事にした。 鈴木と山村も途中まで…と思ったが、鈴木はともかく山村は俺が極道の息子だとは知らねー。
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