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嗚呼、いつから地球はこんなに暑い星になってしまったのだろうか。
昼間の太陽のもとを歩く人影は皆無だ。
それにしても、今日の暑さは尋常じゃないな。
特に髪から来る熱がジリジリと頭皮に伝わる。
どうしてもその暑さが気に障ったから、つい手で頭部に触れてみた。
熱いっ?!
なんだこの熱さは。これは熱中症になってもおかしくないぞ……。
心做しか頭がクラクラする感覚などを覚え始めたようだから、俺はふらふらと商店街のシャッターが閉まりきってないガラスを鏡代わりにして自分の顔色を伺った――。
……は?
俺は頭の方に再び手をやった。
いつの間にか、髪の毛が無くなっているのだ。
……無い。
……それだけじゃ無い。
白目と黒目から成る眼球も、眉も、服も、あるはずだと思っていたものがいつの間にか無かった。
ふと、視界の隅の店舗の外にぶら下がっている気温計に目が留まる。
――73℃
人間ならとっくに限界の気温だった。
俺はこの見た目からしてロボットらしい。
どういうことか。
いつから自分を人間だと思っていた。
過呼吸らしい混乱がドンチャンと肺を暴れ始めた。
熱暴走して限界の頭で考える。
人間は居なくなったのか……。
いつの間に……?
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