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1.ワールドイズマイン
ニコニコ動画のパーカーを着た雫ちゃんのお母さんが秋晴れの朝日の下にいる。
迷彩模様のパーカーに、年季が入ったジーンズ姿は、後ろから見ればよくある光景だった。普通の人なら何も思わず気にも留めないだろう。
「おはようございます」
顔見知りの彼女は爽やかに挨拶し、パーカーの紐どめについているテレビちゃんというマスコットを揺らしながら、私の前を軽やかに去っていった。
時間にして数秒だったが息が止まった気がした。何故だろう？ニコニコとお母さんという単語が結びつかず、新鮮な気がしたから？昔ニコニコ動画をよく見ていたから？見ていたのが昔であるにも関わらず一瞬で見抜いてしまったことに？よくわからない何かを刺激された。何かを、呼び覚ますような。
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