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買い物
俺はカイル。森の中で暮らしている。
「ふぁあ…」
ちなみにここは魔法の世界。でもって俺は魔法が使えない。
「おい、まだ寝るぞ」
と起き上がる俺に腕をガッと被せて来る。この人は森の中で出会った…
まあ、魔王に近い人らしい。単独で行動してるらしい伝説のなんとかかんとか。
良く知らん。名前はないって言うから俺が付けてあげた。ライトって。ダサいって言われたけどまあ気に入ってくれてるらしい。
「もう起きよーよ。明日から学校あるし、その癖ついたら起きらんなくなるじゃん」
「そうなったら俺がちゃんと連れてってやるっつってんだろ」
とあくびをする。
「ライは寝てて良いから…」
「うるせえ。お前も寝んだよ」
ええぇ……、と思ってるとふっと思考が途切れた。
「飯まだ」
「今作ってんだろ」
こいつ居候の癖して…、いやなんか勝手に契約結ばれて、勝手に住み始めて…。
今思ってみればなんて理不尽な話なんだ。飯を作ってれば後ろから頬を突いて来る。
「…やっぱ学校行かなくて良くね。」
「なんで」
「俺が全部教えてやるから」
「できるわけない」
とフライパンを揺らす。
「言ってんだろ。俺1万は生きてるって」
「はいはい、わかったって。」
と生返事すると頬を人差し指と親指でぎゅっとされる。
「やへお、ちゅかむにゃ!(やめろ、掴むな)」
「ふはっ間抜けヅラ」
とケタケタ笑う。飯を作り終えて2人で食べた。
「悪くはねえな」
いっつもそれだ。こいつなりの旨いなんだろう。
「買い物行く。来る?いや来い」
「えー…、覇気抑えるのめんどい」
「…本当に覇気とか出てんの?」
「魔力ねえ奴は何にも感じなくて良いな。普通だったらぶっ倒れてっから」
「ふーん…?」
と食べ終わった皿を洗って手についた水をはらった。
「よし、行こ」
と服を着替えてライを呼ぶ。
「はいはい」
と面倒臭そうに立ち上がった。俺は一人で暮らしてたから今めっちゃ大変。一人暮らしの理由は父親に捨てられてじっちゃんに拾われたから。じっちゃんは天国…、いや地獄かもね。
「おらちゃんと掴まれ」
「え?いや良いよ使わなくて。歩いてこ」
と瞬間移動を使おうと俺の尻を片手で持ち上げたライに言った。
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