役者が揃った

2/6
前へ
/49ページ
次へ
「子爵様のお怒りは尤もだが、司祭殿が仰るように今回は計算外だ。仕方なかろう。ところでギルドへの手配は進んでいるのかね?」 3人目が二人目を宥めるように手を振る フードのせいなのか、ややくぐもった声ではあるが、何か違和感のある話し方と声だ まるで無理に人語を話そうとしているかのよう それでも二人が黙ったのは、3人の力関係の問題なのであろう 「一応済んでおりますが、冒険者ギルドについては断られました。何でもギルド同士での揉め事は避けたいそうで。ですから冒険者につきましては私の方で手を打ちましょう」 4人目の声は何と若い女の声だった 広場や酒場で歌を披露すれば、誰でもが魅了されるような耳に心地良い声のトーンで喋り方だ フード越しにもわかる身体のラインは、女性としての理想を具現化されたものだ 「ええい!日和おって!暗殺者ギルドと呼ばれながら何を恐れておるのだ!」 「まあ待たれよ。我らが望みが成就してしまえば同じこと。…つまり残る7人は大丈夫なのだな?」 「国王夫妻はよろしいので?」 女が笑いを含んだ調子で尋ねる 「出来るのならば、屠ってほしいものだが…」 「国王はまだしも王妃は…公爵に優るとも劣らぬ剣の達人だからな…」
/49ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加