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が、ふと何やら気付いたように
「しかしながら何故我に協力を?あなた方魔族には何のメリットも無いかと」
「さて」
女はまた鈴を鳴らすような笑い声をあげるが、答えははぐらかせる。
それに続けて、ゾッとするような笑顔を見せて
「好き放題にさせていただけるのですから」
「あなた方が暴れられるとなれば…王都も大混乱、下手をすれば壊滅しますな」
「その方がそちらにとっても都合がよろしいのでしょう?」
「はい、確かに。ご助力、感謝いたします」
司教と呼ばれた男が丁寧に頭を下げる
「司教様、そろそろお時間なのでは?」
男が懐中から時計を取り出し、時を確認する
「そうですな。では私も準備に取り掛かりますので、これにて」
「はい。ではワタクシも」
魔族の女はその言葉とともに姿がかき消え、司教と呼ばれた男の気配も衣擦れの音を残して部屋から遠ざかって行った
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