第五章

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名前を考えた時1番に浮かんだ文字が『愛おしい』や『大切にする』と言う意味がある『愛』だった。 だが、その字を使うのは辞めた。 友達に「光愛」と言う子がいるし、その子の娘さんが「季愛ちゃん」「愛海ちゃん」だからだ。生まれてから違う名前にする事も考えたけど、もし、その名前を娘が気に入ってくれたら生まれてからその名前で出生届を出す事を考えたから。 「ねね、しー君、名前何にする」 彼から提案された名前は『優』だった。優しい子になって欲しいからと。 だが、僕は違った。 「でもさ、まだそこじゃ無くない?まだ娘産まれてないし、ほら、pilotがさ、『名前は親が子供に対して最初に贈る手紙だ』って言ってるし、自分達のその子に対する思いを名前にしようよ」 そして、2人の意見を出し合った。共通して思ってることが「僕(俺)たちを選んでくれて有難う」だった。 そして、決まった文字が「礼」だった。有難うの頭文字だった。 「でもさしー君、あだ名付けるのにもう一文字いるよね。なんか考えてよ」 2人で考えてと言う娘の言葉を思い出して後は彼に丸投げした。 「美しい心でいて欲しいんだよね」 と言う彼の希望から名前は「礼美」、あだ名は「れいちゃん」になった。
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