寝て起きたら異世界召喚されていた。聖女?冗談じゃないね

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けど起き抜けに優男に向かって一方的に色々言ってしまったからひとまずはお互い様という事にしよう。 頭を下げ続ける優男に声をかけ頭を上げてもらう。また目線が合って俺を見つめる穏やかなエメラルドの瞳。カラーコンタクトでは再現出来ない透明度と輝きだ。 「申し遅れました、私レイルド・ソン・アンバートンと申します。本日より貴方様の側仕えとして仕える事となりました。レイとお呼び頂ければ嬉しく思います。」 「レイルド、さん。レイさん。」 「はい、なんでしょうかユウヤ様。」 「改めてご飯ありがとうございました。とても美味しかったです。あの、それでなんですけど、俺の洋服どこにありますか?」 レイルドソンアンバートン…長い… これはフルネーム覚えるのはしばらく無理そう。というか時間が経っても無理かもしれない。 早々に今フルネーム覚えるのは諦め、まずはレイルド、レイルド、と頭の中で繰り返して必死に記憶するよう叩き込む。確認のため名前を呼ぶとニコリと記憶の中にあるうろ覚えの王子とはまた違った整い方の顔で微笑んでくれる。一重で少しタレ目気味な目とか、小さめな鼻と口など日本じゃまずメディア以外ではお目にかかれない顔の系統。今は掛けていないが、メガネとか特に似合うだろう。 王子といい優男、もといレイさんといいなんだかんだ顔の良い男が多い気がする。 と、話は逸れたけど今着ている服は元々着てた物とだいぶ違っている。 元々、今の日本は真夏で、夏らしいライトイエローにポイント刺繍の入ったTシャツにデニムという服装をしていたはず。だが今着ているのは所謂ネグリジェというやつで、結構フリフリしている。丈も足首まであるしこれは男が着るものじゃないと思う。 「あのままでは寝苦しいかと思いまして私の方で着替えをさせて頂きました。下着については慣れた物が良いかと思いましたのでそのままです。何かいけませんでしたか…?」 「えーっと、その、俺見てのとおり…いや髪は長いですけど男なのでこんな感じにフリフリした物に慣れてなくて少し落ち着かないんです。出来ればもっと普通のやつがいいんですけど無いですか?」
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