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「はい、あちらの扉の奥にトイレと浴室に続く洗面所があります。両側に別れるようにして左手にトイレ、右手が浴室になります。ご覧になりますか?」
「見てみたいです!」
部屋自体は縦長の作りで、さっき居たベッドから見ると左手の壁に白い木製の1枚扉があった。扉くらい気付くはずだけど、壁も白色だし話に夢中で気がまわらなかったみたいだ。
案内されながら扉に近付くと部屋の壁が腰壁のモールディング以外にも装飾がされているのが分かる。グレーの腰壁の上は下地の壁と同じ白の花柄が浮き出た感じで施されているみたい。
逆に部屋のほぼ全てがちょっと真っ白すぎて気が狂いそう。振り返って見ればベッドもレースたっぷりな真っ白ベッド。
なにもかもふりふり。俺は男なんだけどな?
気にして無かったが見回した事で結構配置が分かってきた。部屋の構成的に1番奥にドーンと大きい天蓋付きのベッドが置かれていたらしい。
「ここも広い…。」
「むしろ手狭な方なんですが落ち着かれませんか?他の部屋が良ければそちらもご用意致しますが。」
「いえ!ここで、ここでいいです。」
そしてその扉を開くとこれこそ普通の1部屋では?というくらいの洗面所。
言われた通り入って左手に入った時と同じ白い扉。こっちがトイレか。
右手には同じく白の木目調のアコーディオンカーテンがあって脱衣所がある。その奥がスライド式の目隠し効果のある曇ったスライド扉があった。中はスライド扉から見て横長に広がっている。
中は浴槽が無いものの広さは十分で、出入口から左奥、つまり浴室の1番奥にはシャワーはあるし、シャワー脇の左側には小さめの棚があり、そこには10種類は瓶が並んでいる。シャンプーとかだろう。
「こちらから左の5本が髪を洗うものです。そして右側5本が体を洗うものになっております。それぞれ香りが違いますのでお好きなものをお使い下さい。そして洗面台のシェルフにあったものは香油です。髪や体などに塗り込んでお使いになられるのが良いかと思います。もし必要でしたら私がお手伝いさせて頂きますのでお申し付け下さい。」
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