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桜蘭学園は私の中高校時代の母校であり、尊敬する水梨桜子理事長が設立した学校で、私の勤めることになった桜蘭保育園もその系列。
一緒に勤務する先生たちも桜蘭学園の卒業生が多いので、とても安心感があるのだ。
今朝も園児達に「100万回生きたねこ」を読み聞かせていたら、園児の中でもひときわおませさんなエリナちゃんがこう叫んだ。
「トラ猫さんと白猫さんはラブラブなんだね!つぐみせんせーはラブラブな人いる?」
「えっ・・・?」
園児達の後ろに立っている同僚の、ママになったばかりの麗子先生がニヤニヤとしながら、私の顔を眺めていた。
・・・どう言ったらいいんだろう?
でも子供達に嘘はつきたくない。
私は思い切って園児達の顔を見回しながら言った。
「先生にもいるよ!ラブラブな人。」
「えええー!!つぐみせんせーやるぅー!!」
園児達がヒューヒューと私を冷やかした。
「うそだー!つぐみ先生はオレとけっこんするんだー!!」
いつも私にベタベタと甘えてくる優作君が口を尖らせている。
「つぐみせんせー、顔まっかっか!」
「どんなひとー?イケメン?!おぐりしゅんよりかっこいい?」
「うーん。イケメンかどうかはわからないけど、すごく優しい人だよ。・・・みんなもきっと大きくなったらラブラブな心が胸をどきどきさせると思うんだ。どうかその気持ちを大切に大切にしてね。」
「せんせー。ひとし君とかなちゃんは大きくなくても、もうラブラブでーす!」
そう名指しされたひとし君とかなちゃんは恥ずかしそうに顔を見合わせて小さく笑った。
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