終わりと始まり

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『か…う…かちょ…課長!』 「ああ…すまない」 『大丈夫ですか?何かありました?』 入社から俺が叩き上げた右腕。 善財和志、28?だったかな?コイツはマジでクソイケメン。一見強面だが気配りも利く優しいヤツだ。 俺が女だったら絶対モノにしたいランキング堂々の一位だ。 「いや…それよりどうした?」 『この見積なんですが…』 こんなイイヤツなのに全くもって浮いた噂がない…和志にフラれたと泣いた女は数知れず…との噂もある。 『課長?聞いてます?』 「んぁっ?すまん、そこはお前に任せるよ。最終だけ見せてくれ」 『わかりました…洋さん…今夜メシ行きますか?』 コソッとこっちを見ずに和志は言った。 ったく…コイツは…気が利くヤツだ。 「そうだな、金曜日だしな!よし!残業しなくていいように頑張るか!」 『俺は大丈夫なんで、課長は頑張って下さい』 クソ…俺達は付き合いが長いから減らず口もきくし、プライベートでは名前で呼び合う。 弟みたいな可愛いヤツだ。
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