好き、ですから

終わりと始まり

「ねぇ洋…私たち、終わりにしましょう？これ…サインして」

『……』

「あなたの事は今でも好きだけど…幸せは…感じない…ごめんね…」

『いや…俺こそ…すまなかった…』

こうやって俺たちの三年間は終わった。付き合って一年…結婚して二年。

愛し合って結婚したはずなのに、終わりが来るのは簡単だ。

お互いに仕事が忙しく、すれ違いは最初からだったが心のすれ違いは一年前くらいから。

部屋は決まってるからと軽い荷物で出て行った元嫁、さすがだな。

「はぁ…」

ひとりになった部屋でため息を吐く、外したマリッジリングと指輪痩せした左手薬指を交互に見る。

離婚したって明日は来る。

野郎は気づかないだろうが、女子はめざといからな。とは言え、付けていくのも嫌で諦めた。

結構イイ会社で課長職、180センチ痩せ型。女子がほっとかない綺麗顔。

川崎洋　32歳　本日バツイチになりました…