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「ふざけんなよ、和樹…。
俺以外の男に簡単に触らせるなんて、お仕置きが必要だなぁ?」
その時、レイさんの後ろから低く恨むような声が聞こえた。
ハッとして振り向くと、そこには嫉妬なんて生易しいものじゃない、どす黒い顔をした男が立ち上がっていた。
「色黒野郎もまじで許さねぇぞ…秘書だぁ?
和樹に必要なのは俺だけで充分なんだよ…。
だからさ、
死ねよ」
そしてポケットから出したのは、携帯型の小型ナイフだった。
「な…っ」
まさかそんなものまで持ってきているとは思わず、ぎょっとする。
だけど、相手は刃をチャキッと飛び出させ、すぐにこっちへ向かってきた。
「くっ…!」
それを見たレイさんが、またロープと向き合い急いでほどく。
だが、片方解いたところで、男がナイフをレイさんめがけて振り下ろした。
「!!」
間一髪で避ける。
腕の横に刃が落ちてきて、シャツの一部が切れた。
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