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「避けんじゃねぇよ!面倒くせぇ!!」
避けられたことに更にムカついたのか、感情に任せて、ナイフを振り回し始める。
「社長!逃げてください!早く!!」
レイさんは急いで立ち上がって、男の攻撃をかわし続ける。
その動きは軽やかで、男の攻撃が読めてるみたいだった。
それに…囮になって俺から引き離してるのは容易にわかった。
動くたびに、ちゃり…と青いピアスが揺れて音を立てる。
(なんで、どうして…)
俺のことを助けようとするの?
わざわざ危ないことをしてまで。
どうして?
「くそが!図体でかいくせに、全部かわしやがって!!」
「全然戦い方知らないようですね。
そんな振り方、素人がやるものです」
ブチギレてる男に対して、レイさんはふっと笑みすら浮かべている。
そして、男のナイフを取り上げようと手を伸ばした。
「…このロン毛が」
だが突然、男がレイさんの長く束ねた髪を掴む。
「!!」
そして、そのまま掴んだ髪を引っ張って、腹に膝蹴りを入れた。
「ゔッ!」
強い衝撃が走ったのだろう。
レイさんはおなかを抱えて痛みに耐える動作をする。
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