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「次は和樹にベタベタ触った罰だ!!」
そう叫ぶと、今度はレイさんの顔めがけて
「死ねぇ!!」
ナイフを振り下ろした。
「…ッ!」
レイさんは間一髪でその腕をつかむ。
見てるこっちとしては本当に心臓が止まりそうだ。
だけど安心したのもつかの間、力自体は男の方が勝っているらしい。
じわじわとその位置は下がり、刃の先端は目まで確実に近づいている。
「死ね、死ね、さっさと死ねよ、くそが!!」
「社長…早く…逃げて…っ」
頭を強く打って意識が朦朧としているだろうに、それでも俺のことを心配してそう弱弱しく叫ばれた。
「レイさん…っ」
殺されるかもしれないのに。
俺の事なんてどうでもいいはずなのに。
なんで、なんでそこまでして…。
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