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今までずっと、蛙の魔物だと思っていたので、驚きが大きい。
「人が嫌がる見た目を目指したんだ」
「それが、薬によって解除されてしまった」
「ひどいよね。自分の意志で蛙になっていたのに、無理やり薬の力で解除されるって、屈辱だよ」
そう言って眉を寄せ文句を口にする王子様につい見惚れてしまう。美しい人は怒っていても美しいのだなぁと、ぼんやり思った。
「大体、この正体をあらわすのだってちゃんと効果的な場面を考えていたんだ」
ラーナ様はすっかりくつろいだ様子で話を続ける。それを聞いてる私は裸の男性に抱きしめられたままの状態なわけで、非常に落ち着かない。
「効果的な場面、ですか」
言いながらさり気なく体を揺らして腕を外そうと努力してみたけれど、余計にギュッと抱き直される結果となってしまった。
「結婚式でイルダにこの変身の術を解いてもらうつもりでいたんだ。花嫁衣装で美しく着飾ったイルダと、醜い蛙姿の俺。最高の演出だと思わない? それがまさかこんな中途半端なタイミングで真の姿を晒すと思わなかった」
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