20人が本棚に入れています
本棚に追加
「夏実さん、さっきはハンカチありがとう。洗ってから返すね」
「全然、いいよ!気にしないで。それより映画、素敵な話だったね!」
すると、次の瞬間、直人は映画の内容を思い出したのか、また涙を流し始めた。
そんな直人が私は、小動物のようにかわいく思えた。
「ごめんごめん。直人くんの気持ちが落ち着いてないのに、映画の話をして・・・」
「いやいや・・・。こっちこそごめん。なんか、あの映画を観て、昔飼っていたワンちゃんのこと思い出して・・・」
そう涙を流しながら、話す直人に私は心を奪われてしまった。
こんなにも、純粋な人を私は見たことがなかった。
最初のコメントを投稿しよう!