*彼との出会い*

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「夏実さん、さっきはハンカチありがとう。洗ってから返すね」 「全然、いいよ!気にしないで。それより映画、素敵な話だったね!」 すると、次の瞬間、直人は映画の内容を思い出したのか、また涙を流し始めた。 そんな直人が私は、小動物のようにかわいく思えた。 「ごめんごめん。直人くんの気持ちが落ち着いてないのに、映画の話をして・・・」 「いやいや・・・。こっちこそごめん。なんか、あの映画を観て、昔飼っていたワンちゃんのこと思い出して・・・」 そう涙を流しながら、話す直人に私は心を奪われてしまった。 こんなにも、純粋な人を私は見たことがなかった。
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