4人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
「オレ達、一生友達でいような!?」
このごくつまらない約束こそが、オレ達にとっては不幸の始まりであり、善なる王国諸氏にとっては幸福の始まりである。
フリジア王立アカデミーの初等部入学式。
平民は貴族からイジメられるなんて散々脅され、不安に焦ったオレが隣の席の子にかけた一言。
「……はぃ…」
消え入りそうな、でも、鈴の音と間違える程の澄み切った声で聞こえた、その返事。
華奢な身体、褐色でありながらも透き通る様な肌、銀色の長い髪、翡翠を思わせる伏し目がちな瞳、口よりも雄弁に感情を語る長い耳。
「ぉ願いします…」
頬を赤らめて俯くダークエルフの少女に、オレは一瞬で心を奪われた。
最初のコメントを投稿しよう!